シネマライフキャリア - Cinema Life Career -

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【映画】打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 〜忘れられないほど綺麗な小学生の思い出〜

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アニメver.はまだ未鑑賞。
岩井監督×大根監督から生まれる作品がどうも想像できない。
過去作風もまるで対照的なので、逆に興味があるが、とりあえずこちらから!

45分という短い尺の中に、小学生のあらゆる要素が詰め込まれていて、何か観ていて懐かしくなり、あの頃が愛おしくなる、そんな映画だった。
小学生の青春。

小学生(特に低学年)の頃になぜかあった男子が女子を好きになることで友達よりも好きな女子を優先することがダサく感じてなかなか素直になれない様子、何もわからず自分がその人のことを好きなのか、恋であることにも気づかず、でも惹かれていく様子がリアルだった。

典道の友達を優先するか、なずなを優先するか、で揺れ動いて、なずなが手を引っ張るシーンなんかは、小学生のときのそんな感情をうまく表現しているシーンだった。

打ち上げ花火、下から見るか、横から見るか。
下から見たら丸く見えるけど、横から見たら平べったいのか、丸いのか。
そんなことを大人って考えなくて、小学生の好奇心って大事にすべきだなと純粋に思ったし、そういう単純な疑問を無下にせずに、一緒に考えていく無邪気さも必要だなと。
今作では、子供から大人にそんな疑問を投げかけるときに、大人がちゃんと返答しているのも素敵だなーと感じた。

また、タイトルが最後のシーンに繋がってる演出が素敵。
「もしも」が起こす化学変化。
もし、典道が50mクロールで、祐介に勝っていたら・・・
最終的に典道が下から花火を見ることになり、友達は横から見ることになった。
でもあれが祐介が勝っているままの結末だったら、典道は横から花火を見ていたかもしれない。
誰もが一度は体験したことがあるであろう「もしこうしていたら」をイメージして後悔すること。
そういった頭の中をしっかりと形にしているのがこの映画である。

なずな(奥菜恵)が小学生には見えないくらいに大人で、典道と並んでいるときは、同級生ではなく、本当に姉弟の関係に見えた。
典道はあの輝かしくて、心の底から楽しかった1日を決して忘れることはないだろう。
初恋ってそんなもの。
しかもその相手とあんなデートできるなんて、小学生やのにませすぎやぞっと思った。笑

小学生の頃って女子がどこか大人(背も高いし)で、男子がやっぱり子供っぽい。
でもそれがなんやかんや微笑ましくてよかった。

シチュエーションが全て理想的すぎて、1日でもあんな日を過ごすことができる小学生時代が欲しかった。笑

情緒的で、煌めいていて、何が起こっているのか、これから起こるのかわからなくて、そんな1日に入り浸れて幸せな気持ちになれて、懐かしのあの頃に戻ることができる作品です。

観てないから細かくはわからないが、アニメverの評価が低い理由は下記のいずれかに落ち着きそう。
・宣伝、広報のイメージと作品のズレ。
└CMやキャスティングから、「君の名は。」のようなわかりやすい大衆向け感動ストーリーを想像した人が想像とは違ったパターン。
・岩井監督×大根監督の違和感(ミスマッチ)。
└冒頭にも書いた通り、やはり今までの作風で対照的な2人がタッグを組むことで、逆に良くない方向に落ち着いてしまっている?
・45分→90分の失敗。
└どれくらい実写とアニメのストーリーが異なるのか、はわからないですが、似たようなストーリーなら45分〜1時間くらいで確かに十分な印象。
特に伏線が張られてストーリーを追うごとに、回収されていくような作品ではないし、人生を辿ることで何かを訴えていくような作品でもなく、1日をタイムリープしながら追う作品なので90分にしたことで単純に長く感じてしまうだけ、になってしまったのかもしれない。
秒速5センチメートル言の葉の庭が90分あるとちょっと長いかも…と似たような感覚。

実写を観て、アニメverの評価を見ると逆にアニメも見に行きたくなってきた。