シネマライフキャリア - Cinema Life Career -

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【映画】ムーンライト 〜マイノリティーな静の世界〜

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久しぶりに消化するのが難しい映画に出会った。
重くもなく、とはいえ軽いわけでもない。
動ではなく、静。
マジョリティーではなく、マイノリティー。
派手さはなく、淡々とストーリーが流れていき、シャロンを軸にシャロン自身を取り巻く環境、周りがだんだんと変わっていく中、変わらないものは何か、を伝えられたような気がした。
伝えられたことは、意外と普遍的な大切なこと。

大きい転換点があるわけではなく、シャロンの幼少期〜大人になるまでを、丁寧に淡々と描いていくことで、彼の心情の変化や新たな自分に気づいていく姿が、言葉ではなく、表情や行動を通して伝わってくる。

ドラッグ、同性愛、いじめなど、マイノリティーで重くなりそうなテーマを、重く描くのではなく、その中にもある普遍的な愛や人としての尊厳、受け入れられることや自分をちゃんと見てくれることの尊さなどの正の部分に、着眼点が当てられていたので、観ていて苦しくなっていくこともなかった。

その中で、ケヴィンがシャロンを殴り、それでもなおシャロンが立ち上がるシーンは、見応えがありよかった。

成長をして環境が変わってもなお、変わらないのはシャロンのケヴィンに対しての愛。
様々なテーマが並べられていたが、最後でわかる…
この映画は一人の男の成長と純愛の物語であることを。

「自分の道は自分で決めろ、他人に決めさせるな」
「あの子のいじめられている理由、言える?」
そのときのその人だからこそでしか言えない、刺さってくる台詞が多かった。
全体的に台詞が少ないからこそ、より際立っていた。