【映画】オーバー・フェンス〜誰もがその場所から、飛び立てるのを信じてた〜
「怒り」と同様、こちらも映画にハマるきっかけをくれた作品です。
家庭を顧みないことで、別れることになった男(オダギリジョー)は、自分としては普通で普通の生活をしていたと思っていて、妻をぶっ壊していたことを自覚していなかった。
そこに、若干情緒不安定なぶっ壊れやすい、また正直に自分では気づいていない嫌なところをグサグサと突いてくるメンヘラな女(蒼井優)と出会い、親密になることで、自らが知らないうちにぶっ壊してしまっていたことに気づく。
次第に自分は人をぶっ壊してしまう人間だと自覚する。そもそも人に興味がなさそうな雰囲気が出てた。
元妻(優香)と再会して涙が出たのは、元気な元妻を見て、当時の自分が彼女をぶっ壊していたことと心から元妻を愛せてなかったことに気づいたからだろう。
普通に普段行っていることが相手にとっては普通ではなくて、それは伝えられないと全然わからない。
「普通の人」という定義がなぜかそれぞれにはあって、そこから外れるだけで、自分では普通だと思っててもなぜか心配されることもあるし、嫌悪感を持たれることもある。
自分だけではどうしようもない何かがそこにはある。
そういう様々な越えられないフェンスみたいなものをオダギリジョーと蒼井優が2人で乗り越えて、それをホームランで表現していてのタイトルがオーバーフェンス!
最後は心が晴れやかになった。
職業訓練校、遊園地、キャバクラ、より2人の演技を引き立てるような舞台がよく、脇を固める俳優陣も少し他の人とズレてて、誰も被ってない。
オダギリジョーと蒼井優はもちろんやけど、2人の間に入った松田翔太がいなければ、この映画はここまでよくはならなかったと思う。
本当に観てよかったです。