シネマライフキャリア - Cinema Life Career -

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【映画】グリーンブック(GreenBook) 〜衝突ではなく尊重から〜

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グリーンブック(GreenBook)

行こうぜ、相棒。
あんたにしかできないことがある。

第91回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(マハーシャラアリ)、脚本賞の3部門を受賞した作品。

1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、で用心棒を務めるバレロンガは、粗野で無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。
ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。
彼の名前はドクター・シャーリー。
カーネギーホールのある豪邸で過ごし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才が、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。
2人は、グリーンブック(黒人用旅行ブック)を頼りに、出発する。

異なる世界に住む2人はそもそも育った環境も違うので、お互いの考える普通にはズレが生じていて、そのズレが笑いを誘い、変に重さを作らないのがまずはよかった。

価値観や性格、人種が異なる人たちも、交わってみて、お互いを尊重しようと寄り添うことで徐々にわかり合えるようになっていく。
多様な形の差別や理不尽を背景に織り成されるのは、それらを切り裂くように創り上げられていった信頼と絆であった。
認めてみることから繋がりは生まれる。

その上でぶつかることもある。
でもそれはお互いのためを思ってのことであれば、方向性がズレすぎてなかったら素敵で、とりあえず受け止めて感謝してみる。
偽善と言われても、勇気を持って踏み込まないと何も変わらず、踏み込んでいくことで少しずつ変わっていくものがあることに気づけた。

旅の復路では、お互いがお互いの信念や大切にしたいことを認め合っていて、それを守るために動いていたのが印象的。
そしてそれを周りもちゃんと受け止めていく結末に涙が止まらなかった。

根本的に黒人と白人という二元論で語るべきことじゃない。
これは他のことでも言えると思うけど。

人はついつい楽だから抽象的な概念だけで、二項対立を作って、ヒトモノコトに対しての受け取り方を判断して、その概念に従って全てがそうだということにして、意思決定したり異質を排除しようとする節があるように思う。(自戒も込めて)
そのような楽に逃げる決めつけや軸をもとに作った極論への行き過ぎや固執が、差別や理不尽を生んでいるのが、今作を鑑賞するとよくわかる。
その間の余白の部分にとてつもなく大事な要素が詰まってるのにも関わらず。
0か100かじゃなくて、間の余白の部分をいかに大切にできるか。

それを含めてわかり合おうとする過程に暴力を使ったらその時点で歩み寄ろうとしたそれら全てが断裂し、今作でいくとツアーを周り切る目的を果たせなくなる。
それを2人はちゃんとわかっていた。
だから極力暴力は振るわずに、静かに物事を解決しようとする。
あくまで暴力を手段として使わない。これも彼らにとってのあるべき姿だった。(バレロンガはドナルドからそれを学んでいた)

さすがのアカデミー賞作品賞だった。傑作。
感動がじわじわ押し寄せてきて、最後は涙が止まらない。
終わったあとは間違いなくジャンキーな食べ物を食べたくなる。
鑑賞後はチキンとパスタを食しました!
ケンタッキー近くになかったからLチキで我慢した。笑

P.S.
グリーンブックとは、1936年から1966年までヴィクター・H・グリーンにより毎年出版された黒人が利用可能な施設を記した旅行ガイドブック。
ジム・クロウ法の適用が郡や州によって異なる南部で特に重宝された。
とのことです。

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