シネマライフキャリア - Cinema Life Career -

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【映画】THE GREATEST SHOWMAN グレイテストショーマン 〜ドラマチックとはこのこと!〜

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実際、この作品は実在していたフィニアステイラーバーナムをモデルに描かれた作品だと知って驚いた。
こんなドラマチックな物語が実際にあったと思うとわくわくしますね!

実業家として成功をして、幼い頃から愛を育んできたチャリティと子供たちに幸せを与えることが夢であったP.T.バーナムは、博物館をサーカスに変え、多種多様な普通の生活ではスポットライトの当たらずに居場所がないと感じている、いわゆる世間から見た変わった人たちをそのサーカスのメンバーとする。

サーカスは一定の反響を得るが、その反応は十人十色。
中には、自分たちの街でこんなサーカス(嘘の見世物)をされるのは恥ずかしいと揶揄する人も出てくる。
P.T.バーナムはサーカスを通して笑顔になれる人が増えればいいと思っていたが、やはり万人受けするものを作るのは難しく、世間一般に受け入れらない難しさが描かれていた。

それでもサーカス自体の反響はよく、いわゆる成功者となっていたP.T.バーナムはさらなる成功を追い求め、チャリティの忠告を無視し、歌が上手なリンドを世界に広めるため、借金をもして、公演を開くことを決意する。

成功してそれなりに幸せで、家族をも幸せにできているのでそれで十分なはずなのだが、さらなる欲が出てしまい、舵を切ってしまう。
成功したその快感を忘れられず、今までのやっていた目的を忘れて、ただただ成功するためのことを考えてしまうようになる。
欲に溺れる人間らしさが出てくる。

いつのまにか成功と自分のことしか考えられなくなっていたことは周りにも伝わり、チャリティにもリンドにも愛想を尽かされてしまう。

何もなくなったからこそ自分の失態に気づくP.T.バーナム。
人は失敗から学ぶというのは、まさにこのこと。

裏では、P.T.バーナムとパートナーになった上流相手にショーをしていたフィリップとサーカスの一員でありフィリップが恋に落ちたアンとの恋愛劇も同時並行で進む。

階級の差により両親から認められないし恥ずかしくないのかと虐げられる始末であったが、フィリップはちゃんとアンのことを見ていた。 .
結果、全てがハッピーエンドとなり、エンドロールを迎える。

人を人として見ずに階級やモノとして見る行為を風刺しており、コンプレックスを個性に変えて、普段はスポットライトが当てられないような人々にスポットライトを当てて、居場所を与えている内容は見事。

お金儲けでスタートしたとしても、結果たくさんの人に希望を与えて、助けられた人たちが恩返ししようとP.T.バーナムに寄り添う。
そんなシーンはとても素敵でした。

さらに逆境を乗り越えるときに目的に立ち返る大切さと人をちゃんと見て大切にすることの大切さを伝えられたようなメッセージ性もあった。

物語や展開はわかりやすくて確かに万人受けしそうで、うまくまとまっていた感じはあるし、やはりミュージカル映画特有の理想と現実を行き来しながら、夢心地の世界を体験できるという意味合いでは非常に素晴らしい映画だった。

とはいえ、テーマや伝えたいことが散らばりすぎてたがゆえの、作品としての統一感があまり感じられず、さらに失敗から立て直しまでの一番重要な部分をすっ飛ばしていきなりエンドに向かっていくやや浅はかな部分はどうしても目を瞑ることができなかった。

(素晴らしい映画であることを前提にですが、)ここまでのストーリーと多くのメッセージ性を持ち、あらゆる人にスポットライトを当てるミュージカル映画を作るのであれば、もう少し上映時間を長くしてでも細部にこだわってもよかったんじゃないか、というのが正直な感想。

フィリップの過去や背景、パートナーになる動機についてももう少し納得できるものが欲しかった感。