【映画】犬ヶ島 〜もしも犬の気持ちがわかったら〜
2018年観たかったのに観れなかった作品を鑑賞しよう第三弾。
Amazonでレンタルがまさかの100円だった!
設定は近未来の日本。
ドッグ病が流行するメガ崎市で、人間の感染を恐れた小林市長が、全ての犬を犬ヶ島(ゴミ島)に追放しようと画策する。
その島にたった一人で乗り込んだのが小林市長の養子である小林アタルであった。
愛犬であり親友でもあったスポッツを救うために島に乗り込んだ小林アタルは、勇敢で正義感の強い優しさを持つ5匹の犬たちと力を合わせてスポッツを探す旅に出る。
探していく中で、メガ崎市に対しての大人たちの陰謀を知ることになっていき、そこから物語が大きく動いていく。
簡単に言うと、いつのまにかダメなことをダメと言えずに、誤った正義を正しいと思い込むようにし、自分の正義を押し殺して生きるようになってしまうのと相手のことを考えずに都合悪いものを排除してしまう悪しき大人や権力者の風習を断ち切るのは、純粋無垢で勇敢な諦めの悪い子どもであるという話。
ウェスアンダーソン監督から見る近未来の日本が大袈裟ではあるがいかにもそれっぽく、異質に対しての風当たりの強さとその対象が人間でないときの倫理観なきトップの容赦なさに心が抉られそうになるが、そこに負けんじと団結する小林アタルと犬たちとそれらに影響されて奮闘する周りの姿に感化させられる。
そこにウェスアンダーソン監督独特の雰囲気や展開、小道具の使い方などの特色もちゃんとあって見応えありで、おもしろかった!
しかも犬が根源となるドッグ病は小林市長の自作自演という、いかにも裏のある感じも日本(まあこれは日本だけじゃないか)の嫌な部分が出ていて、実写ですると池井戸潤原作の政治ver.みたいになりそうに感じる。
ストップモーションアニメーションだったのでわりと重すぎずに見やすかった。
考え方の基本を学んでいく意味でぜひ学校の道徳の授業で流して欲しい作品でもある。
犬の気持ちがわかったら、犬と会話できたら本当にあんなことを思ってて、あんなことを発言してるのだろうか。
そのイメージについての監督の見解も入っていておもしろかった!
人間中心の世界での人間以外の動物は、自由の中で生きるのが難しいことも表現されていて、犬を可愛がり大事にする人間がいるからこそ生きていけるんだと、自由になることだけが正しいのではないことをも伝えられている。
今人間が滅びたとして、それ以外の動物は生きていけるのかどうか、に人間とそれ以外の動物の共存はどうなされるべきなのか、についても考えさせられる作品。
非常に意義深く、それでいて重すぎることもなく、楽しむことができる作品。
あまり馴染みがなかったこともあり、ストップモーションアニメーションを観たのも初めてだったが、このような感じなら全然ありだし、それ以外のも鑑賞したいなーと思えた。