【映画】ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris) 〜真夜中のパリに魔法がかかる〜
ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)
真夜中のパリに魔法がかかる
昨日鑑賞した作品とは打って変わってさらっと鑑賞できそうな普段あまり観ないタイプの映画を鑑賞したが、これが大当たり。
ウディアレン監督は以前から気になってたのでいつかとは思っていたが、最初に鑑賞した作品がこれでよかった!
売れっ子脚本家のギルが、彼女とその両親とともにパリに旅行し、現代とタイムスリップをした1920年代を行き来しながら、色んなものに触れ、色んなことを考え、自分と向き合っていく物語。
どんな時代も過去に想いを馳せてその時代を生きたいと願うものである。
自分だけだと思っていたが、そうでもなかったことが知れたのはよかった。
そしてまたその過去の偉人らも過去に想いを馳せていた。
タイムスリップできるなら絶対に過去に行きたいと改めて思える。
主人公のギルが、1920年代にタイムスリップして、たくさんの芸術家に触れて、本当に好きだと思える人とも出会えて、それにより自分の方向性を明確にしていく。
そこには理性的に生きてきて、脚本家として活動していたギルに、感性的に生きることこそ芸術家であるんだということへの気付きと彼が小説家になることへの後押しが詰まっていて素晴らしかった。
現代と行き来しながら物語が進むからこそ、より理性的な生き方と感性的な生き方とが対比されるように導き出されていく。
それこそ過去がよいと思えたのは、何も過去への憧れだけでなく、思い描いていた芸術家的な生き方が今現在できていないからに他ならなかったことがわかる。
それは結婚を予定していた彼女との趣味の合わなさや彼女とその家族のたくさんのお金を稼ぐことで裕福な暮らしをすることこそ幸せであるという価値観から、そんな生き方をせざるを得なくなっていたようにも見える。
全てを事実だけでこれはこうなんだと並べるだけのうんちく評論家に嫌気がさしてきてくるのもなんかわかる気がする。
話したいのはそこじゃないんだよ感が見ていてもあった。
そこも過去のそれらを生み出した人の中身に触れるからこそ、より感じられるものでもあった。
その人がどんな人でどんな状況の中でどんな想いで何でそれを創作したのか。
そこに心動かされる何かがあるんだなと改めて思えた。
ラストでギルがパリに残る決意をして、そこで趣味と価値観の合う女性と運命的な再会を果たして終わるのは芸術家として生きる道を選んだからこそのそれで、(映画なので綺麗に抜け目なくできすぎやろと突っ込まざるを得なかったが、)非常によかった。
こんな世界観にあの物語にラストとくれば、好きにならならないわけがない。
もっと芸術について詳しかったらより楽しめたんだろうなーと思いつつ、ピカソやルイスブニュエルなど、知っている偉人の方々も出てきて、なかなかに楽しめた!
全体的な演出もオシャレで本当にアートに溢れていて、パリに猛烈に行きたくなる。
鑑賞した人の大半がパリに行きたくなる衝動に駆られるのではないだろうか。笑
それこそどんなものでも、あの1920年代のパリに叶わないと感じていたのは、それだけ多様な芸術(価値観)が共存していて、それぞれに生きていくみんなを引っくるめて、その世界の中全てが自らが最も理想としている芸術だったからなのではないか。
色んな芸術が掛け合わされてる雑多だけど、物凄く綺麗な世界。
なんかみんな自信に満ち溢れていて、だからこそ認め合える余裕のある人たちがとても素敵だった。
それでも結局何かが満たされたらまた何かを焦がれていく。手に入れたらまた何かが欲しくなる。
それが人間なのかもしれない。
本質を突いていて、それでいて前向きに切り拓いていく言葉の数々、脚本が凄くよかった。
さらっと鑑賞するのにいくつもの作品の中から選んで本当によかった。
94分という長さもちょうどよい。
好きな作品になりました!
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