シネマライフキャリア - Cinema Life Career -

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【映画】空の青さを知る人よ 〜あの頃の自分が誇れる自分になれていますか?〜

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空の青さを知る人よ

過去と現在をつなぐ、せつなくて不思議な"二度目の初恋"物語。

試写会にて鑑賞。
あいみょん主題歌と吉岡里帆の声優で楽しみにしてた作品。

題材としては、アニメーションだからこそここまで入り込むように成り立たせることができる題材でよかった。
アニメーションが作られる意味はこういうところにあるんだろうと思う。
それでしか享受できない世界観がある。

歳を重ねるにつれて考えることを避けていくテーマを、作中の過去と現在の対比により、現実の現在の自分について改めて考え、向き合うことの大切さに気づかせてくれる作品となっている。

それぞれが織りなすなかなか動かない静かな胸に秘める恋愛模様が徐々に動いていく展開にもグッとくるものはあるが、それよりも個人的には(行動においては)自分が主語であり続けていたあおいが、あかねのために動き出すに至るまでの思春期ならではの葛藤とそれを乗り越えていく成長に心動かされた。

キャストの並びが並びなだけに慎之介が軸になる物語だと思っていたが、思いの外あおいの物語が軸でもあってそれが逆によかった。

それ以外にも、現在の自分が過去の自分と対峙することで、自分の気持ちに正直になれること、多くの現実を知らない夢でいっぱいの高校時代と現実を知ることで夢を諦めざるを得なくなった大人の理解し合えるわけのない攻防に関しても、映画の中で程よいスパイスとして効いていてよい。

夢を追うことそのものはよいことだと思うが、それを叶えることが難しいと思い知ったときに、どう人生を切り替えていくのかってとても大切だと思った。
決してやさぐれるのではなくて、また新たに目指すものを作ってそれに向けて頑張ってみるとか、今やっていることに前向きに向き合ってみるとか、諦めではなくて少しでも前向きに人生を歩んでいくことに転化していきたい。
そうしていたら過去の夢が叶わなかったとしても、今の自分でよかったと誇らしく生きることができるはず。

そして、この物語を彩っていた中心にあったのは間違いなく理想の人として君臨し続けるあかねの存在であった。

理想的な存在としてのあかねがいるから、周りから比較されるあおい、素直になれないあおいがいて、でも心の中では感謝し続け、あかねに自分に正直に生きて欲しいと心の中では願っている不器用な真っ直ぐさが伝わってくるし、自分のためとあかねのための葛藤を乗り越える成長を描くのに説得力もある。
さらに慎之介からもそれ以外の人からも好かれる理由が物凄くわかり、全体的な物語の説得力も高まっている。

欲を言えば慎之介が大人になってあのような状態になった背景に関する描写がもっとあれば、より物語に入り込めたかなと感じた。
アニメはその辺り(あえて?)あまり描かない作品が多いんですかね。

あと、ファンタジック性はアニメに付き物だが、それを感動的なものとして受け取れない自分がいることにも改めて気づかされたけど、あそこはやっぱりみなさん感動するものなんですかね。

井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る
空の青さを知る人、それはまさにあかねそのもの。
そこから出たことがないから広い世界は知らないけれど、そこからでしか見れない景色や深さを知っている。
自分の両親とかもまさにそうで、今の自分にはなかなか辿り着けない境地だなと思った。

空の青さを知る人よ
これを慎之介が(多分そうだけど)あかねに向けて歌ってるとしたら素敵すぎる。
あかねはおそらくそう受け取ってたから最も好きな曲になってたんじゃないかと受け取れる。

単純な恋愛に落とし込まない感じがよかった。
でも所々でのめり込みきれないのは、やっぱり自分とアニメーション作品の相性の問題。

P.S.
あかねのあの人柄に吉岡里帆のあの優しい声がハマるハマる。
二役を違和感なく演じた吉沢亮も見事だし、それ以外の声優陣もよかった。
でもあの松平健演じる演歌歌手にはなかなか苛立った。笑

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