【ドラマ】最高の離婚 〜好きだからこその離婚〜
なぜだろう。別れたら好きになる。
今年から1月クールドラマがなくなってしまった坂元裕二さん脚本のドラマ観たさに、年始から少しずつ鑑賞してきたけど、スペシャルも含めてやっと全話鑑賞。
最高におもしろくてよかった!
タイトルからも読めるけど、世間的なイメージがよくない離婚を前向きに捉えられるドラマ。
お互いに深入りしまくって喧嘩ばかりの夫婦と深入りせずに喧嘩を全くしない夫婦。
夫婦の色んな形と様々な生き方と価値観が共存されていて、その中で自分らしく幸せに生きるための大切な考え方が詰まっていた。
共同生活を営む上で、結局意地の張り合いからは何も生まれない。
共同生活においては、進んで思いやりを持って相手を理解しないといけなく、それが悪く言えばどちらかの妥協や我慢に繋がるから共同生活って難しいんだなと。
でもそうまでして一緒にいたいと思えるのはとても素敵。
そもそもそんな相手に出会えることが凄い!
許す許さないになるんじゃなくて、ある程度は受け入れる前提で結婚は考えないとだよなーと。
それでもその中に信じることと適度な自由はやっぱり必要。
もちろん高め合う意味での競争になるのはいいけど、見栄を張り合う競争みたいな関係になってしまうのは以ての外。
まあそれが今作の光生(瑛太)と結夏(尾野真千子)なら、なぜか毎回愛おしく見えたんだけど。笑
好きになるきっかけは色々あるけど、それが必ずしも一緒に暮らすことで保てるかどうかはわからないから、やっぱり結婚して家族で幸せになれるって本当に凄いことだなと改めて。
誰かにとっての生きる力や拠り所になってるものがある人にとっては便座みたいなもの。
相手のことをイメージせずに伝えてしまうことの浅はかさを感じたし、自分も過去に同じようなことしてしまったことがあって、そのシーンはわりとグサッと来た。
自分にとって興味のないことを貶すことがどれだけひどいことなのか、をこういう形で見ると心が痛む。
相手に対しての行動がその相手が受けたときにどう感じるのか、どういう思いで向き合っていくのか、はちゃんと考えて行動しないといけないと自戒も込めて改めて思った。
夫婦は形だけの茶番になることがあって、負けてる方はその人にとって正しいこと(当たり前なこと)しか言えなくて切なくなる。
愛情と生活はぶつかり合ってしまう。
気が合う人は好きになれなくて、好きになる人は生活上合わないというすれ違い。
恋愛も結婚も自分を大事にしようとすればするほど、面倒くさいし難しいし複雑。
人は簡単に変われないと言うけれど、人によって幸せや正しさは違うし、性格や人柄も異なる。
そんな中で変わりたいことと変わりたくないこと、変わるべきことと変わるべきでないことがあって、その折り合いの中でどういう選択をしていくか。
特に相手がいること前提の選択である結婚や子供を産むことは、よりそれを考える必要がある。
お互いに好きであることが、必ずしも一緒に暮らすこと、夫婦になること、家族になることに行き着くとは限らない。
とはいえ好きだから離れたくないけど、それを強いろうとどちらかが何かしらの我慢をすればするほど、本当は嫌いたくない人を嫌ってしまうことになりかねない。
色んな価値観の人がいる中で、どう受け入れ合いながら相手のことを考えた上での選択をできるか、が生きていく上で、みんなが幸せになっていく上で、大事であることが伝えられていた。
そこに至るまでに物凄い遠回りをしたけど、それがお互い好き同士だからというリアル感があったし、それを緻密に描くからこそ気づけたことが多かった。
両想いになることと一緒に生きていくことは別っていうのが改めてよくわかった。
全く作品としての種類は違うけど、「あの頃、君を追いかけた」みたいな切なさと愛おしさとおかしさの共存がある。
毎話笑えて最高におもしろくて自分の中でもとても大切なドラマの一つになりました。
生き方も価値観も人それぞれで、その中でどう誰かと関わって生きていくか。
物凄く考えさせられたとともに、自分は自分でいいんだとも思えた。
今まで観てきたドラマの中でもカルテット、開拓者たちの次くらいには好き!
やっぱり坂元裕二さんの脚本は沁み渡る。
恋愛や結婚したくなくなるのかと思いきや、どちらかというとしたくなった。笑
他人を尊重しながらも、自分らしく生きることから逃げずに!
P.S.
キャストはもちろん全員よかったけど、特に瑛太と尾野真千子は真骨頂で物凄くハマっていてよかった。
瑛太には特によい意味で笑わせてもらえました!
この2人、シリアスな演技も普通にこなすからなー。
そしてエンディングがいちいち最高だった!