シネマライフキャリア - Cinema Life Career -

映画やドラマをメインにコンテンツの感想記事と生き方やキャリアを考える上で参考になりそうな記事を書いていきます。

邦画

【映画】よこがお 〜よこがおが物語るそれぞれの心情〜

よこがおある女のささやかな復讐。ちゃっかり下半期で最も楽しみにしていた作品。積み上げてきたものから作った幸せな生活を、想定外に崩されていってしまう女性。その女性のそこに至るまでの背景や心情を生々しく描いていくことで、人間のえぐみと社会の不…

【映画】花筐/HANAGATAMI 〜時代を風刺するヤバい傑作〜

花筐/HANAGATAMI少年は魂に火をつけ、少女は血に溺れる。久しぶりに生涯ベストを揺るがす傑作に出会えてしまった。いきなり物凄い衝撃が走って、そこからずっと衝撃が乗っかり続けてくる感じ。まずは、純文学をそのまま映像化したような古風な美しさと奥ゆか…

【映画】天気の子 〜自らの気持ちに正直に生きるということ〜

天気の子‬これはー僕と彼女だけか知っている、世界の秘密についての物語。世界の大多数よりもたった1人の最愛の人を選ぶ純愛を、まさかの天気を題材にここまで自然と情緒溢れる形に落とし込んでいく内容に、いつの間にか魅かれていき、引き込まれていった。‬…

【映画】ホットギミック ガールミーツボーイ 〜3つの初恋。一つの答え。〜

ホットギミック ガールミーツボーイ3つの初恋。1つの答え。これを10代で観ることができていたら、もっと早くに自分の世界が変わっていただろう。自分の世界というと語弊があるか。この世界を自分のものとしてもっと肯定的に、前向きに自分の人生を歩めるきっ…

【映画】新聞記者 〜日本映画が変わる瞬間〜

新聞記者この映画を、信じられるか?東京新聞記者・望月衣塑子の同名ノンフィクションを原案に、若き女性新聞記者とエリート官僚が真実を明らかにするための対峙と葛藤が描かれている作品。まずは今作を全国公開で放映することができたこと、ここまでリアル…

【映画】ウィーアーリトルゾンビーズ(WE ARE LITTLE ZOMBIES) 〜生きてるくせに、死んでんじゃねえよ。〜

ウィーアーリトルゾンビーズ(WE ARE LITTLE ZOMBIES)生きてるくせに、死んでんじゃねえよ。青の帰り道の後に本作を観たのはミスったかもしれない。リトルゾンビーズたちに青の帰り道の7人を見せてあげたいと思った。まあそんなことをしても彼らには意味が…

【映画】きみと、波にのれたら 〜波に乗ることの意味〜

きみと、波にのれたら守りたい人がいる。会いたい人がいる。試写会にて鑑賞。脚本はわりとよくて、水をうまく使った程よいファンタジックな異世界感と実はこことここが繋がっていてこうなっていく物語性はしっかりあった。あとは映像と音の綺麗さは言わずも…

【映画】町田くんの世界 〜こんな世界を創りたい〜

町田くんの世界この世界は悪意に満ちている。でもーー町田くんがいる。映画をずっと鑑賞し続けていると、時々どんな映画を今自分は欲しているのかがわからなくなることがある。最近そんな気持ちになりながらも色んな映画やドラマを鑑賞しているが、今一番鑑…

【映画】長いお別れ 〜築かれた長年の関係性の強さと温かさ〜

長いお別れだいじょうぶ。忘れることは、悲しいだけじゃない。厳格であった父親が認知症になることで、家族が再度触れ合っていき、また新しい家族が始まり作られていく物語。認知症のことを、徐々に記憶がなくなり、忘れていくことから、「長いお別れ」と呼…

【映画】さよならくちびる 〜大好きだから、サヨナラを歌う〜

さよならくちびる大好きだから、サヨナラを歌う。小松菜奈×門脇麦という自分史上最高の共演に成田凌。あいみょん、秦基博の楽曲提供とたまらなさすぎる予感しかしなくて、ずっと楽しみにしてた。正直キャストと音楽だけで鑑賞し、内容はどうだろうと思ってい…

【映画】紙の月 〜退屈な日々にさようならを〜

紙の月最も美しい横領犯。八日目の蝉の原作でお馴染みの角田光代原作の「紙の月」を、「桐島、部活やめるってよ」や「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」などで様々な視点からの細かな人間描写に定評のある吉田大八監督が映画化した作品。設定はさながら、監…

【映画】愛がなんだ 〜幸せな恋愛ってなんだ〜

愛がなんだ全部が好き。でもなんでだろう、私は彼の恋人じゃない。私はただ、ずっと彼のそばにはりついていたのだ。ダメでかっこよくないところも、全部を好きだと思ってしまったら、嫌いになることなんてたぶん、永遠に、ない。角田光代原作を岸井ゆきの主…

【映画】ミスミソウ 〜家族が焼き殺された日、私は復讐を決めた〜

ミスミソウ家族が焼き殺された日、私は復讐を決めた。2018年観たかったのに観れなかった作品を鑑賞しよう第八弾。田舎独特の閉塞感と逃げ場のない絶望に抑圧された環境下から来る行き場のない溜まりに溜まった鬱憤が、最も昇華されてはいけない形にどんどん…

【映画】キングダム 〜すべてを賭ける夢はあるか〜

キングダム すべてを賭ける夢はあるか 原作未読。 周りでも好評が多かったので読みたいと思いながら読めてなかった原作が、映画化されるとのことで楽しみに鑑賞。 完全なるフィクションを題材としている作品ではなく、実在していた紀元前3世紀の古代中国の戦…

【映画】麻雀放浪記2020 〜ボーッと生きてんじゃねえよ、ニッポン!〜

麻雀放浪記2020ボーッと生きてんじゃねえよ、ニッポン!原作未読。原作を知ってる方と麻雀通の方からの酷評が物凄いですが、個人的にはおもしろくてよかった。今作は、ピエール瀧の一件で上映が危ぶまれていたが、思考停止して上映中止にするのでなく、熟考…

【映画】今夜、ロマンス劇場で 〜もしも好きな人に触れられなかったら〜

今夜、ロマンス劇場で 運命なんて飛び越えて、私はあなたに逢いにいく。 王道のラブロマンス。 物凄く綺麗にストーリーが進んでいって、積み上げた2人が最後に出した答えが素敵だった。 お互いがお互いを思うからこその行動とちゃんと見てるからこその言動が…

【映画】永い言い訳 〜誤ちを受け入れながら生きていく〜

永い言い訳 妻が死んだ。 これっぽっちも泣けなかった。 そこから愛しはじめた。 映画にハマるきっかけを作ってくれた2016年邦画作品の一つ。 このタイミングで改めて鑑賞。 自己愛が強く、自分が他人にどう思われるかを重要視し、さらに自らの欲求の発散の…

【映画】そうして私たちはプールに金魚を、 〜抜け出さない退屈の行く末〜

そうして私たちはプールに金魚を、先生、人って退屈で死ねますか。第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門のグランプリ受賞作品。2012年に埼玉県狭山市の学校でプールに400匹の金魚が放流され、世間を騒がせた実話を原案にしたショートフィルム。27分と…

【映画】少女邂逅 〜君だけでよかった、君だけがよかった〜

少女邂逅君だけでよかった。君だけがよかった。2018年観たかったのに観れなかった作品を鑑賞しよう第六弾。いじめられたことをきっかけに声が出なくなった小原ミユリ(保紫萌香)。リストカットをしようとするも勇気がなくできない。ミユリは山の中で拾った…

【映画】ソラニン 〜社会人向け青春映画の金字塔〜

ソラニン私は歌う。キミがいたことを証明するために。高校のときくらいに鑑賞して以来に鑑賞。この歳になっても変わらず、むしろ初めて鑑賞したときよりなぜか自分事として捉えられて、グッと来て、こみ上げてくるものがあった。それなりに色んなものに触れ…

【映画】21世紀の女の子 〜21世紀の女の子に捧げる挑戦的短編集〜

21世紀の女の子21世紀の女の子に捧げる挑戦的短編集上記の共通テーマをもとに15人の女性若手映画監督による短編15篇で構成されるオムニバス形式の作品。想像していたものを超える若者ならではのエモさが全体的に広がっていて、突き刺さっても来るしじんわり…

【映画】サムライマラソン 〜行きはマラソン 帰りは戦〜

サムライマラソン 行きはマラソン、帰りは戦。 キャスト(特に映画お久しぶりの森山未來と小松菜奈)目当てで鑑賞。 全体的な評価はわりと低めなんですね。 演出や派手さ、細かい部分のこだわり等に確かに物足りなさはありつつも、おもしろくないことはなか…

【映画】七つの会議 〜正義の体現〜

七つの会議 正義を、語れ。 池井戸潤原作の映画化。 ある社員が皮切りとなり、組織全体に蔓延る同調圧力が招く不祥事の連鎖を断ち切っていく物語。 エンターテイメントとしてのおもしろさがしっかりとあり、それでいて社会派要素もしっかりとある内容は健在…

【映画】渇き。 〜あらゆる狂気の共存〜

渇き。 愛する娘は、バケモノでした。 狂気の沙汰。全員狂ってる。もう振り切れ過ぎてて救いなんてものは全くない。 愛の方向性を誤ったことから来る狂気、自分の非を認めず他責にし続けてあくまで自分のせいであることから逃げ続ける各位、弱い者にやっと希…

【映画】デイアンドナイト 〜善と悪はどこからやってくるのか〜

デイアンドナイト 善と悪はどこからやってくるのか。 善悪の問題について、単なる二項対立で描かずに、あらゆる方面からの善と悪に深く触れていく心意気は凄くて、物凄い熱を感じられ、物語も濃密で無駄がなく、目が離せない。 だが、やはり善と悪をここまで…

【映画】十二人の死にたい子どもたち 〜死にたいって本当は生きたいってこと〜

十二人の死にたい子どもたち 死にたいけど、殺されるのはイヤ。 密室での集団安楽死を望んで集まった12人の子どもたち。 子どもたちと言っても設定は高校生で、年頃の青年である。 子どもと定義づけたのは、若さゆえの不安定さと成人はしていないことへの裏…

【映画】万引き家族 〜人が人らしく生きるためには〜

万引き家族 アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされましたね! 日本アカデミー賞ノミネートは予想通りやったけど、本家アカデミー賞へのノミネートは驚きです。 個人的には2019年ベストの映画でした。 是枝監督らしい「家族として生きること」を軸に、あ…

【映画】チワワちゃん 〜青春の自爆テロ〜

チワワちゃん 息もできないほど、キスして、笑って、恋をしていた。 2019年劇場一発目。わりと遅くなったけどこれにしてよかった。 とてもエモーショナルな作品。 色んな気持ちや感情が入り交じっていて簡単に整理ができない。余韻には浸れた。 青春の自爆テ…

【映画】悪人 〜数々の悪人たる人間の一側面〜

悪人 なぜ殺したのか。 なぜ愛したのか。 本当の「悪人」は誰か。 起こった事実だけではその人の本当の姿はわからない。 そこに至るまでの背景やその人の心境、状態、過去、そして今。 表には決して見えてこない裏に隠れた真相にこそ、本当のその人の姿があ…

【映画】検察側の罪人 〜感情を軸とした正義と真実を軸とした正義の対立〜

検察側の罪人 一線を、越える。 正義は罪か? 犯人未明の殺人事件。対立する二人の検事。 正しいのは、どちらの正義かー 原田眞人監督最新作。 木村拓哉×二宮和也のW主演。 『別册文藝春秋』(文藝春秋)にて2012年9月号から2013年9月号まで連載された、雫井…